レアメタルはなぜレア(稀少)なのか

レアメタル(rare metal)は文字の通り、稀少な金属であると解釈できますが、具体的にどうレア(稀少)なのでしょうか。言葉の通り考えると、レアとは、量が少ない、つまり世界的に見て埋蔵量の少ない物質のことを指すと思いがちです。しかし実は、必ずしもそうではないのです。

レアメタルにおける希少性については、次の3つの条件のどれかに当てはまれば、稀少だとされます。「存在量が少ない」「存在量は少なくないが、まとまって産出することが難しい」「存在量は少なくないが、産出するのに手間がかかる」の3点です。つまり、必ずしも存在量が少ないことがレアメタルの希少性の条件にはなっていないのです。レアメタルによってどのような理由で稀少とされているかは異なるのです。

例えばリチウムイオン電池で使用されることで名高いリチウムは、塩湖から取り出されます。つまり、海水にもリチウムは含まれています。海水は地球の表面の7割を覆うわけですから、その量は膨大、したがってリチウムの量も膨大です。しかし、海水の塩分濃度は低いので、海水からリチウムを抽出するのは効率が悪く、行われていません。現実的にリチウムは、塩分の濃い、チリや中国など、ごく一部の限られた塩湖で取り出されているのです。したがってリチウムもレアメタルの仲間なのです。

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